江戸時代を舞台にした時代劇ドラマをテレビで見ているときに、江戸は現在の東京であり、大きな商家の蔵には鉄でできたかなり大きな南京錠がかけられている光景をみることがあります。
そのころにもカギ器具を製造していまして、それは主に錠前を専門に製造する鍛冶屋だったとされています。
物理的な方向で強固なカギ器具を製造することにより生計を立てていたわけです。
江戸時代においてはカギ器具の交換を行なうのは錠前屋であり、錠前を作るときには開け方も知っているため幕府にはかなり厳しく管理されていた業者だとされています。
ところ変わって現在では、物理的に鉄製の大きな南京錠をかけておくことだけで万全な防犯であるとはいえなくなり、さまざまな分野の技術を取り入れてカギ器具の開発が進んできました。
そこで開錠するためにはあらかじめ暗証番号を登録しておいてその暗証番号を入力する方式のカギ器具が開発されたりしてきたわけです。
今現在の日本、特に東京においては機密情報はほとんどデジタルデータとして管理されているため、企業が業務に使うデジタルデータが収納されているサーバーコンピューターを設置してある部屋のカギ器具は、特に厳重な警戒の元で設置されています。
かつて江戸時代や明治時代のように、カギ器具の交換のために鍛冶屋さんが新しいものを設置して済んだという時代は変わっています。
現在の日本は、カギ器具を開発する段階で電気技術者やIT技術者など本来なら異分野の人たちが必要不可欠になってきています。
電気技術者やIT技術者は、暗号を性格に判別して開錠するなどの機構に関して専門的知識を持っていて、それら知識をカギ器具に応用して新タイプのカギ器具を作っていくわけですから、東京は異分野人材が周囲にいるのでその条件が整っているのです。
そして、カギ器具メーカーと密接な関係を持っている必要がある交換業者は、IT分野などに全く無知では交換ノウハウが身につきません。
ですので業者は鍛冶屋のように物理的なカギ器具だけを知っているだけではなく、内部構造に使われるデジタル的な仕組みにも精通している業者へと、時代によって変わっているといえるのです。